……雌猫4匹に囲まれてハーレム状態、というか猫と一緒に生活するようになるとは全く思っていませんでした。いわゆる犬派でして、初めてネコ科動物を触ったのは1986年7月。その時から33年間、一度も猫に触れる機会が無かったです。北海道美瑛町にあった「シベリアタイガーパーク」で抱っこさせてもらった子トラが最初。
犬が居た頃は、毎日一緒に散歩したものです。40歳を過ぎて糖尿病になったからで、急激に体重の25[%]が減少して若い頃に戻ったなんて喜んでいたら、インスリンを分泌する膵臓のβ(ベータ)細胞が壊されて高血糖状態になる1型糖尿病でした。
壊れた膵臓の機能が元に戻ることはなく、インスリンを注射して普通の人の生活に近づける治療を主体的に続けるしかないのですが、表面上だけでも普通の生活を送っているように見えるまでには長い期間が必要でした。そんなこともあって、病気になってからはバイクと距離を置くことになりました。
鈴菌感染化傾向
スズキ製のマニアックなバイクや自動車を熱狂的に愛する人を、ネタ的に「鈴菌感染者」とか「鈴菌に感染」していると言うらしい。また、スズキのバイクや自動車ばかり乗り続けている人もこの部類に入るようだ。

地方なもので大型バイク販売店が無く、メーカー展示車だった GSX400F をスズキの自動車販売代理店経由で購入。車検以外のメンテナンスや修理のための部品は、メーカーから直接購入して自分で交換していた。日常の足として使う以外に、本州、四国、九州、北海道と全国を大雑把にツーリングした。1982年8月7日、京都の宇多野 Y.H. にて。
当時カワサキの Z400FX が4気筒で超人気だった訳で、対抗したヤマハの XJ400 も4気筒。トレンドが4気筒になっていた400ccクラスにスズキが出した GSX400E は2気筒、と空気読めない感が……でも購入候補だったのですよ、今もカタログ持っていますし。
トレンドに乗っかって購入した GSX400F に何故か取り付けられていたエンジンガードは、下手くそ故の何度かの転倒で役立たずになり用無しに。エンジンガード取り外し後は自分の運転技術を越えた走りを自重し、無事に帰って来るまでがツーリングという心構えで走るようになりました。

都市部に転勤になり、維持費が安い GSX-R250 を購入。日曜日の朝、都会の街中を走るのは嫌いではなかった。1987年8月、北海道知床半島のカムイワッカ展望台にて。この展望台は、カムイワッカ湯の滝入口を過ぎて知床大橋までの途中、硫黄山登山口付近にあった。長い間、湯の滝入口から先は通行止めになっており、この案内板が残っているかは不明。
デザインこそ耐久レーサー風でしたが、後から見返せばレーサーレプリカへの過渡期モデル。レッドゾーンが17,000[rpm]からの高回転エンジンにもかかわらず低回転域でもそこそこ走り、街乗りからツーリング、高速走行まで高回転域が楽しいことを知ったのでした。

2ストロークエンジンに加えスポーツプロダクション仕様のためツーリングには適さないと思われるが、車両重量が軽いのでブレーキに不安は無く、取り回しも楽。カウルは高速&雨天走行時に効果があり、乾式クラッチは渋滞で助かる。ポジションさえ適応できれば疲れの少ないバイク。長い期間、最も多くツーリングを共にした。1992年8月、白川郷からの帰路で。
こんなバイクでツーリングするなんて変態でしたね。最初はサーキットを走りたかったのですけれども、走行会に参加してみると何か違うなと感じてしまって……かわいい子には旅をさせよ、ですよ。(ちょっと何言ってるかよく分からない)

RGV250ΓSP とのポジション差はステップが数cm前にある程度。長距離を短時間で移動するには不向きだったために走ったのは数年だったが、登録抹消して現在も保有している。ハイエースに積んで目的地まで移動し、そこでゆったりツーリングするのも悪くないなと思ったが、そんな休みは取れないのだった。1992年5月、東北自動車道盛岡付近。
自分は「鈴菌」のウイルスキャリアかもしれませんが未発症で、偶々スズキのバイクを選ぶことになっただけと思っています。けれども、バイク選びには個人の嗜好が強く反映されますから、主流じゃないことは間違い無いですね。
犬派から猫派へ

病気の影響で体調が回復せず、実家に戻る。認知症の親から犬の世話を引き継いだが、「昭和」の躾を受けたからか言うことをきかない犬だった。わかります。毎日朝晩一緒に散歩し、よく遊び、名前を呼んで話しかけ、嫌がることはしないように接すること数か月。予防注射の時などに気性の荒さが出るものの、老犬になったのもあってか穏やかに。2012年4月30日撮影。
寝たきりになったチイタロウを8ヶ月ほど介護しました。常に寝不足のストレスマックスでは血糖コントロールがうまくできなくて慢性的な高血糖状態、その結果は合併症の悪化。この時の経験が親の介護に役立ちました。ひとりで全てやろうと思わないことです。

チワワのティアラ9歳♀とトイプードルのクレア6歳位♂。飼い主との突然の別れで身寄りが無くなった2匹を訳あって引き取った。初日から布団に入って来て川の字になって寝るという、飼い主以外の人には威嚇すると聞いていたから、衝撃展開。普段はお姫様なのに、自分以外の人に対して歯を剥き出して唸るティアラと人懐こいクレア。2015年10月26日撮影。
認知症の親は、ティアラとクレアを「チイタ」と呼んでいました。犬ということは理解できていて、犬=チイタロウと思っていたようです。認知機能の喪失は確実に進行しており、健常人からすれば理解に苦しむ言動が増え、近い将来の介護生活を考えると人慣れしているクレアを新しい飼い主に託すのがいいのかなと。
2019年、冒頭の写真のとおり猫家族が現れ、家の敷地内で育った子猫たちを飼う決意をする。認知症の親に初めて飼う猫たち……フェリーの乗り降り口が開き、バイクでランプウェイを降りる時の高揚感をもう一度味わいたい、これが現実となるのはいつのことか。