尿中アルブミン定量検査
2008年6月5日:7回目の通院。インスリン量は12単位のまま現状維持。3ヶ月続けて尿に糖が出ています。
食後血糖値が高くなっていると感じていましたが、炭水化物を制限するようなことはしないつもりです。HbA1cは上昇傾向ですけれども、まだまだ5[%]台ですから。
- 2008年6月の検査結果
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- HbA1c(JDS):5.6[%](前月5.5[%])
- HbA1c(NGSP):6.0[%](前月5.9[%])
- 尿中アルブミン(クレアチニン換算値)定量検査:3.4[mg/gCr]で正常
- 2008年5月の血糖自己測定平均値
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インスリン量:5-3-4-0(朝-昼-夕-寝前)[単位]
- 朝食前:91、後:188 [mg/dl]
- 昼食前:93、後:122 [mg/dl]
- 夕食前:84、後:179 [mg/dl]
- 就寝前:126 [mg/dl]
微量アルブミン尿による早期腎症の診断
尿中に蛋白が2ヶ月前と3ヶ月前の2回連続で検出されたため、糖尿病腎症第2期(早期腎症)の早期診断を目的に先月、尿中アルブミン(クレアチニン換算値)定量検査が行なわれたのでした。
この検査は、尿蛋白が陰性のときに行なわれます。
尿中アルブミンの量が正常値より少し多い場合を微量アルブミン尿といい、将来、腎症が進行する確率が高いことがわっかています。
微量アルブミン尿の時期(糖尿病腎症第2期)に適切な治療をすれば、正常な状態─と言っても呼び方は糖尿病腎症第1期ですが─に戻ることができます。
適切な治療を行わずに、糖尿病腎症第3期 (顕性腎症期) へと進行してしまったら、あとは腎症が悪化するだけです。
ただでさえ炭水化物摂取に制限のある糖尿病患者が、タンパク質の摂取も制限されたら食べるものが無くなってしまいます。
だからこそ、初期の変化を見逃さないことが大切で、あなたの主治医が患者の状態を適切に把握する力量を持っているかが重要です。慢性の尿蛋白陽性になってしまってから腎臓専門医に紹介されても、時既に遅しです。
- 尿中アルブミン陽性判定基準
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正常(陰性)
- 随時尿<30[mg/gCr]
- 時間尿<20[μg/min]
- 24時間蓄尿<30[mg/day]
微量アルブミン尿(陽性)
- 30[mg/gCr]≦随時尿<300[mg/gCr]
- 20[μg/min]≦時間尿<200[μg/min]
- 30[mg/day]≦24時間蓄尿<300[mg/day]
顕性蛋白尿
- 300[mg/gCr]≦随時尿
- 200[μg/min]≦時間尿
- 300[mg/day]≦24時間蓄尿
結果は3.4[mg/gCr]で、正常範囲内(30[mg/gCr]未満)でした。
もし、ここで微量アルブミン尿であったなら、3~6ヶ月以内にさらに2回検査を受けることになると思われます。3回中2回以上陽性のときに微量アルブミン尿と判定され、早期腎症の治療が開始されるでしょう。
一口に糖尿病と言っても食事をほんの少し節制していれば問題無い患者もいれば、重度の合併症を発症して生命の危険がある患者もいる、というほど幅広く奥深い病気です。
高血糖状態において痛いとか苦しいという症状はありませんから、血糖値やHbA1cといった数値によって、自分の生活を自分で管理していかなければなりません。
けれども、合併症発症の兆候は、血糖値やHbA1cの値からはわかりません。たとえ血糖コントロールが良くても、糖尿病歴が長くなれば合併症を発症する人が出てしまうことも事実です。
腎症の兆候は、尿に蛋白が出ることから窺われ、尿中アルブミン(クレアチニン換算値)の検査を行なうことにより、早期診断ができます。
必要な時期に的確に検査等を行なってアドバイスをしてくれる、そして合併症が起こらないように血糖管理してくれる医師を選ぶことも大切だと思ったのでした。ちなみに今の主治医は、入院していたときの主治医に無理言って、後日紹介してもらったのでした。