糖尿病教育入院の目的と目標
「糖尿病だからすぐ入院しなさい」と医師から宣告をされた三日後の2007年10月29日、ようやくベッドから体を起こし病院に向かったのでした。
そのころは起きるのもやっとという状態で、入院の準備とか気にしないで即日入院した方が良かったかな、と少し後悔しました。
入院受付後、病棟に案内され、最初に入院診療計画書(jpg)なるA3版の用紙をもとに、入院の目的や目標などの説明を受けました。
- 教育入院の内容
-
- 血糖値を下げる治療
- 合併症の検査
- 栄養指導
- 服薬指導
- 医師による糖尿病教室
- 看護師の生活指導
入院中の2週間は、食事療法のための糖尿病治療食以外、口にするのは禁止です。飲み物は、水やお茶、筆者は無糖ブラックコーヒーも飲んでいました。
テキストとして使用する「糖尿病治療の手びき」と「糖尿病食事療法のための食品交換表」を病院内売店から購入し、2週間の糖尿病教育入院の始まりです。
教育入院の目標
- 目標1.
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糖尿病のコントロールがうまくいく。
- 入院の目的と日程がわかる
- 急性症状の改善と大まかな血糖コントロール
- 治療方針がわかる
- 検査の意義がわかる
- 低血糖についてわかる
- 目標2.
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糖尿病をよく理解し、自己管理ができるようになる。
- 血糖のコントロールがうまくいく
- 合併症の理解ができる
- 食事療法が理解できる
- 低血糖の対処法を覚える
- 退院後の日常生活についてイメージでき、安心して退院できる
- インスリン自己注射ができる
- 自己血糖測定ができる
目標達成の自己評価
教育入院終了時に、目標に対しての自己評価を行います。
血糖値が正常域に近いところまで下がったこと、インスリン自己注射ができるようになったこと、血糖自己測定ができるようになったことは、「良し」とします。
また、低血糖の対処法も覚えるだけなら、「良し」とします。実際に低血糖を経験してみないと、対処できるのかわかりませんから。
自分はどのような低血糖の症状が出るのか、どのような状況のときに低血糖の症状が出たか、低血糖にならないための経験を積まなければいけない、と思いました。
「退院後の日常生活についてイメージでき、安心して退院できる」これが全くできませんでした。
糖尿病や食事療法の理解は浅く、何がわからないのかがわからない状態でした。退院時に、糖尿病のことについて調べられるだけ調べなくては、と思ったのでした。
そして、とりあえずは入院生活と大差ない生活を送れば何とかなるだろう、とも思ったのでした。ですから、自己評価は50点です。
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