低血糖は不意に来る

2009年7月3日:20回目の通院。HbA1c(JDS値)は、6月測定値6.5[%]から今月測定値6.4[%]と横ばいです。

2008年10月頃から肩関節周囲炎(五十肩)が原因と思われる血糖コントロール不良が起きてからは、治療内容が大きく変わりました。

追加インスリン増量と基礎インスリンの開始 (5-3-4-0 → 7-4-4-6 [単位])、そして減量 (7-3-4-4 [単位])、さらにセイブル服用開始と、その割にはHbA1c(JDS値)6.5[%]以下を保っていますので、悪くはないです。

2009年6月の血糖自己測定平均値
  • 朝食前:131, 後:167 [mg/dl]
  • 昼食前:140, 後:175 [mg/dl]
  • 夕食前:99, 後:129 [mg/dl]
  • 就寝前:164 [mg/dl]

この日、クリニックで採血した昼食後3時間30分の血糖値は、82[mg/dl]でした。「随分良い値、というか低いな」とは思いましたが、その後まさか低血糖が起こるとは思いもしませんでした。

自動車を運転中に症状を感じ、間もなく自宅に着き、震える手で血糖値を測定すると56[mg/dl]でした。食後5時間30分のことです。

低血糖にならないようにインスリンを減量している状態で、その日は食事も普段と変わりなく運動もしていない。低血糖は起きないだろう、と油断してはいけないと思ったのでした。

低血糖について考える

血糖値とは、血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度のことで、日本では単位[mg/dl] で表されることが一般的です。海外では、[mmol/l]という体積モル濃度で表わしている国も多いです。

さて、筆者も含めて糖尿病患者の多くは、血糖値の値だけに注目して一喜一憂してしまいがちですけれども、血糖測定時からある時間経過後の血糖値はどうなっているのか、たとえば、睡眠前の血糖値は朝食前にはどうなっているのか、などとあまり気にしないのではないでしょうか。

血糖測定後、血糖値はどこまで上昇するのかあるいは下降するのか、血糖測定時の血糖値から予測することは無理で、少なくてもあと1回、ある時間経過後に血糖測定しないことには血糖値の成り行きはわかりません。

2点測定など精度不足もいいところで、多点あるいは連続測定できてやっと予測可能ではないかと思います。

血糖値が上昇するのか、あるいは下降するのか、その方向くらいなら予測できるでしょう。

n時における血糖値とn+α時における血糖値を測定し、単位時間あたりの血糖値の変化(血中グルコース濃度の勾配)を見ればよいのです。

血糖値が上昇しているときはグルコース濃度勾配はプラス、下降しているときはマイナス、一定のときは0です。

血糖値の提示のみからは、グルコース濃度勾配がプラスなのかマイナスなのか、それとも0に近いのか、ほとんど判断がつきません。

食後何時間とか食前何時間という条件が付けば、多くの経験からまあまあ判断が付く程度ですかね。

朝食前は、食後12時間以上経過していると思われるので、グルコース濃度勾配は0に近い、つまり2時間経過後も6時間経過後も血糖値はほぼ一定で推移するであろう、と考えられます。

エネルギーの消費と供給のバランスが取れている状態です。

このときのエネルギーの供給元は肝臓であり、貯蔵していたグリコーゲンを分解したり、またはアミノ酸などから糖新生をして、エネルギー源であるグルコースを血液中に放出します。

インスリンが不足すると、肝臓から血中へのグルコース放出を抑制できずに過剰に放出してしまい、グルコース濃度が高くなる(血糖値が高い)状態になります。

筆者の場合、自分が出すインスリンだけでは明らかに不足していて、基礎インスリンを補うために レベミル®を4単位を打っています。

朝食前血糖値は、食後から十分時間が経った空腹時にもかかわらず、66~224[mg/dl]と意外にばらつきが大きく、平均110[mg/dl]です。もちろん200を超えたり70を下回る頻度はとても少ないです。

また、グルコース濃度勾配は0に近いであろうこと、平均110[mg/dl]という値からすると、朝食前の低血糖はほぼ無いだろうと思います。

食事を摂るとグルコースは消化官から肝臓を経て血中に入り、血糖値は急上昇(グルコース濃度勾配プラス大)になります。

すると、インスリン作用により肝臓は瞬時にグルコース放出を止め、グルコースを取り込むようになります。また、血中に入ったグルコースもインスリン作用により筋肉(骨格筋、心筋)や脂肪組織に取り込まれます。

筆者の食後のインスリン効果は十分とは言えないようで、食後高血糖になります。

それでも自分のインスリンが遅れて分泌されるせいか、次の食前には十分ではないにしろ下がっています。

食後高血糖を抑制するためにインスリン量を増やすと低血糖になる場合が増えるのでそれもできず、α-グルコシダーゼ阻害薬 セイブル®を服用して、グルコースが急激に肝臓に流れ込まないようにしている状況です。

食後約4時間経過後の血糖値が82[mg/dl]だったことから、グルコース濃度勾配がマイナスに大きすぎると注意するべきでした。

そして、食事やインスリン注射量がいつもどおりでも、インスリンを使っている限り低血糖は起こりうるものだ、と再認識しました。