1型糖尿病の筆者の調剤費内訳を調べてみた

2010年3月以前は、薬局で調剤してもらって受け取った領収書には「薬剤料」や「調剤料」といった項目毎の合計費用しか記載されていませんでした。

2010年4月以降は、平成22年度診療報酬改定により医療費の算定内容がわかる明細書が無料で発行されるようになったことで、項目の内容や費用内訳、薬の値段がわかるようになりました。

筆者は緩徐進行性の1型糖尿病患者なのですが、2010年12月分の調剤明細書を詳しく調べてみることにしました。

診療報酬は法律で定められており、2年毎に見直しが行なわれ、その算定方法は医科点数表、歯科点数表、調剤点数表に記載されているものが全てです。薬剤は調剤点数表に基づきます。

調剤費内訳の詳細

筆者の2010年12月分の薬代合計は、18,940円(3割負担で5,680円)でした。

  1. 調剤技術料:2,440円
  2. 薬学管理料:340円
  3. 薬剤料:16,160円

調剤技術料

医師の処方箋に基づいて薬剤を調製する行為に対する技術料ですが、多くは錠剤などのように調製された形になっていますので、医薬品を単に取り揃える行為に対する報酬のように見えます。

実際には、薬剤師という専門性を活かして、患者の薬物療法を最適にするための行為も当然含まれます。

  • 処方された医薬品と患者の病歴が医学的に妥当であるかの判断
  • 処方された医薬品の量で過不足が生じないかの確認
  • 医薬品の重複投与や禁忌がないかの確認
  • 患者の薬剤服用歴に基づく服薬指導
  • 薬物療法の効果の確認
  • 副作用の予防や早期発見
  • 患者の薬剤服用歴の作成と管理……など
  • 調剤基本料40点 + 調剤料204点 = 244点 = 2,440円
調剤基本料

40点。保険薬局において、処方せんの受付1回につき調剤基本料として40点が算定されます。

処方せんの受付回数が1(ひと)月に4,000回を超える保険薬局(特定の保険医療機関に係る処方せんによる調剤の割合が70%を超えるものに限る)においては、処方せんの受付1回につき24点が算定されます。

保険薬局によっては、基準調剤加算が算定される場合があります。

調剤料

以下の小計204点。

  • 内服薬調剤料:89点
    (メトグルコ®錠250mg / 1日3回毎食後 / 33日分)
  • 内服薬調剤料:89点
    (セイブル®錠50mg / 1日2回朝・夕食後 / 34日分)
  • 注射薬調剤料:26点
    (ノボラピッド®注フレックスペン300単位 / 1調剤)
    (レベミル®注フレックスペン300単位 / 1調剤)

内服薬の調剤料は、1剤につき該当する投与日数によって次のように算定されます。

  1. 14日分以下の場合:
    7日目以下の部分は1日分につき5点
    8日目以上の部分は1日分につき4点
  2. 15日分以上21日分以下の場合:71点
  3. 22日分以上30日分以下の場合:81点
  4. 31日分以上の場合:89点

服用時点が同一である内服薬については、投与日数にかかわらず1剤として算定されます。また、4剤分以上の部分については算定されません。

ただし、内服用滴剤は、上記内服薬とは所定単位および所定点数が異なり、1調剤につき10点が算定されます。

その他に嚥下困難者用製剤加算や一包化加算がありますが、ここでは説明を省略します。

注射薬の調剤料は、調剤した調剤数や日数にかかわらず、1回の処方せん受付につき26点が算定されます。

注射薬は、在宅医療における自己注射等のために投与される薬剤に限り調剤され、インスリン製剤はそのうちのひとつです。

薬学管理料

  • 薬剤服用歴管理指導料34点 + 薬剤情報提供料0点 = 34点 = 340円
薬剤服用歴管理指導料

34点。処方せんの受付1回につき薬剤服用歴管理指導料として30点が算定されます。ただし、薬剤の服用歴管理とその指導が行なわれた場合に算定されます。

特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)について、副作用やその対処方法などの詳細な説明と必要な指導を保険薬局から受けた場合には、特定薬剤管理指導加算として薬剤服用歴管理指導料に4点が加算されます。

薬剤情報提供料

0点。患者が調剤された薬剤の情報を提供するよう保険薬局に求め、それに応じて保険薬局が手帳(いわゆる「お薬手帳」)に薬剤の情報を記載した場合に、月4回に限り薬剤情報提供料として15点が算定されます。

薬剤料

  • 使用薬剤料1,378点 + 特定保険医療材料238点 = 1,616点 = 16,160円
使用薬剤料

下記の小計1,378点。

  • メトグルコ®錠250mg(1日3錠/33日分):99点
  • セイブル®錠50mg(1日2錠 / 34日分):340点
  • ノボラピッド®注フレックスペン300単位(3キット):686点
  • レベミル®注フレックスペン300単位(1キット):253点

使用薬剤料は、使用薬剤の薬価が調剤料の所定単位につき15円以下の場合は1点と算定され、所定単位につき15円を超える場合は10円またはその端数を増すごとに1点が加算されます。

メトグルコ®錠250mgの薬価は、9.60円。1日3錠なので9.60×3=28.8円。28.8円のうち15円以下の部分が1点、15円を超えて25円以下の部分が1点、25円を超える端数部分が1点の計3点が1日分。よって、使用薬剤料は、3点×33日分=99点となります。

セイブル®錠50mgの薬価は、52.40円。1日2錠なので52.40×2=104.8円。104.8円のうち15円以下の部分が1点、15円を超えて95円以下の部分が8点、95円を超える端数部分が1点の計10点が1日分。よって、使用薬剤料は、10点×34日分=340点となります。

ノボラピッド®注フレックスペン300単位の薬価は、2,286.00円。3キットなので2,286.00×3=6,858円。6,858円のうち15円以下の部分が1点、15円を超えて6,855円以下の部分が684点、6,855円を超える端数部分が1点の計686点が使用薬剤料となります。

レベミル®注フレックスペン300単位の薬価は2,529.00円。1キットなので2,529.00×1=2,529円。2,529円のうち15円以下の部分が1点、15円を超えて2,525円以下の部分が251点、2,525円を超える端数部分が1点の計253点が使用薬剤料となります。

特定保険医療材料

以下の238点。

  • ペンニードル32Gテーパー(140本):238点

特定保険医療材料の材料価格は別に厚生労働大臣が定めるものであり、材料価格を10円で除して得た点数が算定されます。

インスリン注射に使用する注射針は「万年筆型注入器用注射針」と言われるもので、薬事法上の類別は「機械器具(47)注射針及び穿刺針」、一般的名称は「医薬品・ワクチン注入用針」です。

万年筆型注入器用注射針は、標準型、針折れ防止型、超微細型の3つに区分されており、材料価格はそれぞれ15円、17円、18円です。

ペンニードル32Gテーパーは針折れ防止型に区分されるので、材料価格は17円×140本=2,380円となり、10円で除して得た238点が算定されます。