動脈硬化と禁煙のすすめ [糖尿病教育入院11日目]

2007年11月8日木曜日:昨日で検査が全て終了し、結果の説明をしてもらいました。

まず、1型糖尿病であること。そして、頚部血管超音波検査の結果から年齢以上に動脈硬化が進んでおり、「喫煙は止めるように」と言われました。

血糖管理目標も聞きましたが、この時点では良く理解できなかったです。目標の数値が意味するところ、なぜその目標なのか、どうすればその目標を達成することができるのか、などの本質的意味がわからなかったということです。

わからないことは質問し、または自分で調べ、自分の体を治療の実験台として観察していく糖尿病人生が始まります。

動脈硬化

動脈硬化とは?

動脈の血管壁が肥厚および硬化して血管本来の構造が変化し、弾性が失われるなどの機能低下を起こしている動脈病変の総称。一般に、粥状動脈硬化を指す場合が多い。

動脈は血管の内膜や中膜が比較的よく発達していて、そこにアテローム性プラーク(粥状斑)ができやすい。

  • 冠動脈
  • 頸動脈
  • 下肢動脈など

動脈硬化は、糖尿病や肥満、加齢なども含め、危険因子を多く持つ人ほど進行しやすく、脳卒中(脳出血と脳梗塞)や心筋梗塞の発症リスクが大きくなります。

動脈硬化の三大危険因子
  • 脂質異常症
  • 高血圧
  • 喫煙

糖尿病の代謝異常は、血中脂質異常や高血圧をもたらす要因のひとつになりますから、糖尿病患者は、動脈硬化の三大危険因子のうち二つを潜在的に持っていることになります。

加齢はすべての人に共通の危険因子ですので、特に何かできるものではありませんが、喫煙は止めればいいだけなので、絶対におすすめです。

アテローム性プラーク

アテロームは、動脈血管壁の内膜に蓄積した変性物質であり、その集まりで、動脈の内腔(血液が流れるところ)側に隆起するように成長していきます。

そして、プラークは、内膜の蓄積物質により肥厚した部分を指します。

動脈血管壁の構成

内腔側から

  • 内膜
  • 中膜
  • 外膜

の3層構成。内腔側の内膜表面は、内皮細胞の層に覆われています。

内膜と中膜の境には非連続性の内弾性板があり、中膜の主な構成成分である平滑筋細胞は、血管の収縮・弛緩を調節して弾性を保っています。

冠動脈では、平滑筋細胞が内膜に遊走・増殖して形成されたびまん性内膜肥厚が幼少期から認められます。プラークの始まりは、びまん性内膜肥厚と考えられています

アテロームの始まりは、単球と呼ばれる白血球です。血中脂質異常や高血糖、感染、高血圧などの刺激によって内皮細胞が傷害されると、その表面に接着分子が出現します。単球は、内皮細胞に接着後、内膜に侵入してマクロファージに分化します。

また、血中の過剰なリポタンパクは、内膜に侵入して湿潤します。侵入したリポタンパクのうち、酸化された酸化LDL(low-density-lipoprotein、低比重リポタンパク)は、マクロファージに取り込まれ続け、やがて泡沫化します。

大量の酸化LDLを取り込んだマクロファージは、細胞内に泡沫化脂質(コレステロールや中性脂肪)を溜め込んだ泡沫細胞となります。

さらに、カルシウムや細胞の死骸などから成るその他の物質も蓄積されて、プラークが形成されていきます

動脈硬化の危険性

動脈血管の内腔は、プラークが大きくなるにつれて狭くなっていきますけれども、まだプラークによる症状はありません。

狭窄が内腔断面の70~80[%]程度に至ると、動脈下流組織への血液供給が不十分になってきます。

  • 冠動脈の狭窄 → 心臓への酸素の供給不足 → 狭心症(胸痛)
  • 冠動脈の閉塞 → 心臓への酸素および栄養の供給停止 → 心臓発作(壊死)
  • 頸動脈の閉塞 → 脳への血液の供給停止 → 脳梗塞

プラークの破裂は、プラークによる狭窄より危険です。比較的安定したプラークは、アテロームがびまん性内膜肥厚成分の平滑筋細胞によって被膜されています。この被膜が相対的に薄いと、プラークは破裂しやすくなります。

破裂したプラークに血液が流れ込んでさらに大きく成長させたり、破れたところから脂肪性の塊(脂肪塞栓)が血液中に流れ出たり、血液の塊(血栓)を誘発し、これらが動脈血管内腔の狭窄または閉塞を促進させます。

さらに、脂肪塞栓や血栓が離脱して血液中を流れていき、別のプラークや血管壁に付着して内腔の狭窄または閉塞を起こすことにもなります。

動脈硬化の危険因子

家族の病歴、加齢、性別などの危険因子は改善のしようが無いですが、下記の危険因子は改善可能な危険因子です。

  • 脂質異常症(特に高LDLコレステロール血症)
  • 高血圧
  • 喫煙
  • 糖尿病
  • 肥満

この中でも特に喫煙は、すぐにでも改善できる危険因子です。タバコを吸わない、つまり禁煙すればいいのですから。禁煙するのが厳しい、ということは二次的な問題です。

タバコの煙に含まれる活性酸素や、タバコを吸うと血中濃度が上昇する一酸化炭素は、動脈血管壁を損傷させる危険性が高いことがわかっています。

冠動脈疾患の発症リスクは、禁煙しただけで喫煙を続けている人の半分に減ります。過去の喫煙期間には無関係ですから、禁煙即効果有り、ということです。

加えて、脂質異常症や高血圧などの他の危険因子の改善も期待できますから、禁煙は、すぐに実行できる最も効果の高い動脈硬化の予防法であると思われます。

禁煙は動脈硬化を予防する最も簡単な方法

頚部血管の超音波検査において年齢以上の動脈硬化が認められた以外、合併症の所見はありませんでした。

糖尿病合併症検査結果より抜粋

動脈硬化の危険因子のひとつである喫煙は、「止めなさい」と言われました。持っている危険因子が、糖尿病を除けば喫煙だけだったからだと思われます。

退院後、自然に喫煙回数が減っていき、2008年10月頃から完全禁煙継続中です。

入院11日目の治療、検査、食事の記録

  • 0605 起床、体重測定:65.4[kg]
  • 0730 血糖値測定:137[mg/dl]
  • 0800 インスリン注射:10単位、朝食:ごはん220[g](82[g] =370[kcal] =4.6単位)、キャベツとさやいんげんの味噌汁、含め煮(がんもどき、人参、椎茸)、焼き海苔、減塩しょうゆ、白菜ときゅうりの浅漬け、ロースハム、牛乳(炭水化物 : 102[g]、カロリー : 658[kcal] =8.2単位)、食後メルビン1錠

    朝食 2007年11月08日 木曜日 ごはん220[g](82[g]-370[kcal]-4.6単位)、キャベツとさやいんげんの味噌汁、含め煮(がんもどき、人参、椎茸)、焼き海苔、減塩しょうゆ、白菜ときゅうりの浅漬け、ロースハム、牛乳(炭水化物:102[g]、カロリー:658[kcal]=8.2単位)

  • 0900 散歩(30分)
  • 1015 検査結果説明「1型糖尿病である。インスリンは微量分泌している。眼、腎臓、神経は異常無し。動脈硬化が少し有り。喫煙は止めること。血糖値の目標は空腹時100[mg/dl]以下。体重は65[kg]以下。」
  • 1130 血糖値測定:144[mg/dl]
  • 1200 インスリン注射:6単位、昼食:ごはん220[g](82[g] =370[kcal] =4.6単位)、玉葱と三つ葉のお汁、鮭の照焼き、大根おろし、減塩しょうゆ、アスパラガスのお浸し、マヨネーズ、刺身こんにゃく、減塩しょうゆ、グレープフルーツ(炭水化物:105[g]、カロリー : 568[kcal] =7.1単位)

    昼食 2007年11月08日 木曜日 ごはん220[g](82[g]=370[kcal]=4.6単位)、玉葱と三つ葉のお汁、鮭の照焼き、大根おろし、減塩しょうゆ、アスパラガスのお浸し、マヨネーズ、刺身こんにゃく、減塩しょうゆ、グレープフルーツ(炭水化物:105[g]、カロリー:568[kcal]=7.1単位)

  • 1300 散歩(30分)
  • 1730 血糖値測定:119[mg/dl]
  • 1800 インスリン注射:8単位、夕食:ごはん220[g](82[g] =370[kcal] =4.6単位)、麩としめじのお汁、豚もも肉の粕漬け焼き、トマト、きゅうり、茶碗蒸し(椎茸、鶏肉ささ身、卵、三つ葉)、グレープフルーツ(炭水化物:98[g]、カロリー : 586[kcal] =7.3単位)、食後メルビン1錠

    夕食 2007年11月08日 木曜日 ごはん220[g](82[g]=370[kcal]=4.6単位)、麩としめじのお汁、豚もも肉の粕漬け焼き、トマト、きゅうり、茶碗蒸し(椎茸、鶏肉ささ身、卵、三つ葉)、グレープフルーツ(炭水化物:98[g]、カロリー:586[kcal]=7.3単位)

  • 2200 血糖値測定:99[mg/dl]、就寝